Snapshot
2016年から私たちは、
- 2,825kgの廃材を使用してきました。
- メルボルンにある「アサイラムシーカーリソースセンター」と呼ばれる難民救済施設へ177枚のブランケットを寄付しました。
- 私たちが紙面に取り上げられることで、オーストラリアの多くの人々に「クローズドループビジネス」を広めることができました。
- 切れ端を利用したブランケットを作るための研究開発資金32,000ドルを、クラウドファンディングにて集めました。Asylum Seeker Resource Centre
- 切れ端を利用した製品開発を続けるための資金15,000ドルを、マコーリー銀行より獲得しました。
- 2019年にはデザインファイルの「サステナビリティ デザインアワード」を受賞しました。The Design Files' Sustainability Design Award.
廃棄物
私たちのブランケットは全てリサイクルされた織物生地(pre-consumer waste、post-consumer waste)から作られています。Pre-consumer wasteとは、工場などの生産過程で出た切り落とされた布端や、過剰生産や売れ残った糸などの織物素材のことを指し、Post-consumer wasteは、古い衣類で、穴などが開いてしまい着ることができない衣類や寄付できないような衣類などを指します。
私たちは、現在までにゴミ処理所の約8,058キロの廃棄布生地をブランケットに生まれ変えてきました。
でも、もしブランケットをもう使わなくなったらどうすればいいの?−任せてください。私たちはエレン・マッカーサー財団のサーキュラーエコノミーの原理に基づいて、あなたのブランケットにとって最適な第二の人生を歩ませます。私たちはまず、古いブランケットを作り直す前に、その時点のブランケットの状態を見てまだ使用できるものか確認します。これは、素材を可能な限り、最大限に良い状態のまま残すためであり、まだ使える状態のブランケットを作り直して水や燃料などの資源を無駄に使うことを避けることにつながります。なので皆さん、もしSeljak Brand のブランケットをお持ちで、状態は良いもの(切り目や穴、シミなどがない状態)でありながら、もう使うことがないとなった場合には、オーストラリアにあるSeljak Brand社がブランケットを洗濯して、Asylum Seeker Resource Centre(オーストラリア難民支援団体)に寄付し、難民の方々に配布します。
再利用や寄付もできないようなブランケットの場合には、私たちが提携しているリサイクルパートナーを通してブランケットをリサイクルします。リトアニアで作られたブランケットは回収されると、作られた時と同じ工場に送られます。ここで、リサイクルの工程に進み、細断されて他の布の切れ端と一緒に新しい糸になります。オーストラリアで生産されたブランケットはUpparel(リサイクル会社)に送られ、子ども用ソファベットなどの新たらしい製品に生まれ変わります。
あなたのブランケットが長い間愛用され、沢山の冒険をした後は、私たちがそのブランケットを回収し、オーストラリアまたはヨーロッパ、どちらかのリサイクル施設に送ります。ブランケットのリサイクルについての詳細はお気軽にhi+seljak@jau.co.jpまでご連絡ください。
カーボンニュートラルへの動き
Seljak BrandはThe Carbon Reduction Institute(炭素削減協会)からNoCO2 Carbon Neutral Program(カーボンニュートラルプログラム)の認証を受けています。Seljak BrandはThe Carbon Reduction Institute(炭素削減協会)と協力し、カーボンフットプリントの定量化し、相殺する取り組みを行なっています。そして、カーボンニュートラルに向けた継続的な方法構築しています。毎年、私たちは運用見直し(日々のビジネス運営)や、製品のライフサイクル分析を行い、Seljak Brandの事業活動の全側面の影響と相殺している排出量について全体把握できるようにしています。
昨年度の決算時では、事業運営の観点から、約7.12トンのCO2e (二酸化炭素換算の数値)を、ブランケット製造、販売の観点からは約3.44トンのCO2e を放出したと報告されました。
リサイクルウールは新しいウールを使う際に比べて13倍もの二酸化炭素排出量を削減することができます。
新しいウールブランケット(1kgの重さに対して)のカーボンフットプリントは約45.5kgの二酸化炭素排出量になります。同量のリサイクルウールブランケット(Seljak Brandのブランケットに相当するもの)のカーボンフットプリントは約3.4kgの二酸化炭素排出量です。
脱炭素への動き
私たちはインドネシアのthe Rimba Rayaというプロジェクトを通して、炭素排出量を相殺させ、ボルネオ島の中部カリマンタン州の泥炭湿地林、65,000ヘクタールを保全しています。当初はパーム油のプランテーションが予定されていましたが、Rimba Rayaによって現地のコミュニティーの人々に有意義な雇用機会をつくと同時に、130ミリオンヘクタール以上もの炭素排出を防いでいます。そして、絶滅の危機に晒されているオラウータンも保護しています。
しかし、脱炭素の活動は本当に地球温暖化を止めることに役立っているの? 排出量を相殺しながらも、通常通り事業を行うことは、気候変動に対して決して十分な対応とは言えません。それでも、持続可能な世界に近づく一歩であり、業界全体において二酸化炭素排出量削減を促すことにもなります。
引用:
^Resource use and greenhouse gas emissions from three wool production regions in Australia. Wiedemann, S.G., et al. 112, s.l. : Journal of Cleaner Production, 2016 ^Barber, Andrew and Pellow, Glenys. LCA: New Zealand Merino Wool Total Energy Usage. 2006 ^Cardoso, Albino Andre Moreira. Life Cycle Assessment of Two textile Products. 2013
教育
Seljak Brandは リサイクルブランケットを通して、closed-loop(クローズドループ)のシステムとデザインにおいて良い例となっているブランドです。製品の製造だけでなく、講演、ワークショップ、イベントなどで、環境への影響を減らし、持続可能な成果を達成するためにはどのようにモノを作り、使うのが良いのかについて個人や団体を巻き込んで話し合っています。
私たちはSDGs(持続可能な開発目標)の#12「つくる責任、つかう責任」と#13「気候変動に具体的な対策を」に沿った活動を展開しています。
Sustainable Living Festival にてSeljak BrandがパネルディスカッションをSuitcase Rummageと共に主催した時の様子
講演
Seljak Brandは製品や事業システム、織物やファッションの持続可能性について内容の濃いプレゼンテーションにより人々を感化させ、パネルディスカッションにも参加します。私たちは協議会、大学、企業オフィス、イベントなどで講演を行い、Seljak Brandのストーリーを多くの人に共有し、地域や世界の課題の解決方法を探り続けています。
共同創設者 Karinaが講演している様子